【普光院(奈良県奈良市)】写実的な見返り地蔵

奈良県奈良市 普光院 本堂
奈良県奈良市 普光院 地蔵菩薩
奈良県奈良市 普光院

奈良県奈良市、北町の北端に佇む普光院。

毎年7月23日に実施される地蔵会(じぞうえ)と大晦日に限り拝観できる写実的な見返り地蔵が見どころです。

普光院はこんなところ

「奈良市史 社寺編」によると、北近江を治めた浅井長政公の遺子であり、仏門に入ったけいりょうによって開基されたと伝わります。その後、お堂が大破したものの、元禄四(1691)年にかくしょうにんによって再興されました。

また、「平城坊目考」には、享保年間(1716年~1736年)に寺号を長福寺から普光院へ改めたと記されています。
(現地案内板より)

奈良県奈良市 普光院
本堂に掛かる扁額

この辺りは近世のならまちの北端であり、町名の北川端町は佐保川沿いに立地することに由来するとされます。通常地蔵菩薩を含め本堂内を拝観することはできませんが、地蔵会(7月23日)と大晦日の23:30頃~に限って拝観可能です。

地蔵会とは地蔵菩薩を供養し、子どもの健やかな成長や無病息災、家内安全を祈祷する法要のことであり、毎年8月23日・24日に執り行われる元興寺の「地蔵会な万燈供養」が有名です。ほかにも、毎年7月23日には十輪院福智院伝香寺など市内各地のお寺で地蔵会が催されています。

境内を散策する

ユニークな本堂

奈良県奈良市 普光院

三十年に一度の御開帳を祝うかのように、満開の桜が参道を彩っていました。

奈良県奈良市 普光院 本堂

本堂は方五間、本瓦葺、寄棟造のシンプルなお堂ですが、「妻入り」と「しころ屋根」という二つの珍しい特徴が見られます。

屋根の骨組みで一番高い部分をむな(青の円で囲った部分)、棟木と並行な面をひら、直角の面を妻といい、一般的には平側に入口を設けた平入りの建物が多いのですが、普光院の本堂は妻側に入口を設けた妻入りとなっています。

また、屋根の勾配が途中で切り替わり、二段に葺かれた屋根のことを錣屋根といい、兜の首回りを守る錣に由来します。

大晦日の御開帳

ここからは大晦日にお詣りしたときの写真をいくつか交えながら、当日の様子やご本尊の阿弥陀如来、地蔵菩薩などをご紹介します。

奈良県奈良市 普光院
奈良県奈良市 普光院 本堂
奈良県奈良市 普光院 鐘楼

当日はご住職が好きに撞いてよいと仰っていたので、お言葉に甘えて筆者も鐘を撞いてきました。

奈良県奈良市 普光院 阿弥陀如来
奈良県奈良市 普光院 阿弥陀如来

ご本尊は阿弥陀如来であり、お寺の縁起とその作風から江戸時代前~中期の作かと思われます。やや厳しい相貌をあらわしますが、整った像容の優美な仏像ではないでしょうか。

写実的な見返り地蔵

奈良県奈良市 普光院 地蔵菩薩
地蔵菩薩(重要文化財)
  • 地蔵菩薩立像
    木造(檜)彩色、寄木造、像高159.0cm、康永四(1345)年、県指定文化財

地蔵菩薩は鎌倉時代の慶派の流れを汲む像であり、足のほぞの墨書から康永四(1345)年に造立されたことが明らかになっています。つまり、普光院の創建以前の作ですが、享保年間にお寺へ寄進される以前は近隣の町内の住民たちが持ち回りで祀っていたと伝わります。

また、修理に際して胎内から発見された銘文と二枚の木札からは天正十三(1585)年に大きな修理が施されたこと、元禄十一(1698)年に浄福寺(奈良市興善院町)の僧によって玉眼が修理されたことなどが判明しています。

奈良県奈良市 普光院 地蔵菩薩

長年の経年劣化により自立もままならない状態でしたが、平成二十五年の修理では一度全体を解体のうえ各部材の欠損部に檜材を補い再び組み直したうえで、くそうるしで成形することにより往時の姿を取り戻しました。

また、修理前は頭部が正面を向いて取り付けられていたものの、頭部と体部の彫刻面のつながりや釘穴からかつては顔を左斜め前に向けていたことが判明したため、この痕跡を元に頭部を接合し直したそうです。修理前と比較すると、この補修によってより自然で、動きが感じられる美しい仏像になったように感じます。
(以上奈良県公式サイトより)

まとめ

地域の人々によって祀り、守られながら今に伝わる生き生きとした美しい地蔵菩薩と普光院。ならまちの各お寺で地蔵会が執り行われる7月23日にお詣りされることをおすすめします。

最寄り駅の「近鉄奈良駅」と「JR奈良駅」からは徒歩15分ほどとアクセスは良好であり、般若寺や五劫院などきたまちのお寺と一緒にお詣りされてはいかがでしょうか。

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奈良県奈良市 普光院

基本情報

  • 正式名称
    佐保山普光院
  • 所在地
    奈良県奈良市北川端町7
  • 指定文化財
    県指定文化財(木造地蔵菩薩立像)
  • アクセス
    近鉄奈良線「近鉄奈良駅」より約1km/徒歩約15分
  • 駐車場
  • 拝観時間
    境内自由、本堂内は7月23日の午後と大晦日の23:30以降に限って拝観可能
  • 拝観料
    志納
  • 御朱印
  • 所要時間
    約10分

 

参考
奈良県公式サイト 最終アクセス2026年8月2日